今回の質問は、熊本学園大付属高校、文系2年生の男子の質問です。以下の因数分解の問題です。
因数分解\(x^2-y+xy-1\)の解法
$$x^2-y+xy-1の因数分解$$
決して難しい因数分解ではありませんが、しばらくやっていないので解き方を忘れてしまったのでしょう。細かいことを考えずに組み合わせだけ考えて解くと、以下のようになります。
\begin{eqnarray}
x^2-y+xy-1 &=& x^2-1+(x-1)y \\
&=& (x+1)(x-1)+(x-1)y \\
&=& (x-1) \displaystyle\left\{(x+1)+y \right\} \\
&=& (x-1)(x+y+1)
\end{eqnarray}
x^2-y+xy-1 &=& x^2-1+(x-1)y \\
&=& (x+1)(x-1)+(x-1)y \\
&=& (x-1) \displaystyle\left\{(x+1)+y \right\} \\
&=& (x-1)(x+y+1)
\end{eqnarray}
無事に解けましたね。しかし、これで終わってしまってはせっかくのチャンスをふいにしたことになってしまいます。
どういうことかというと、せっかくこの問題を質問したからには『最低次数の文字に着目し、降べきの順に整理する!』ということまで学んでほしいということです。
ということで最低次数である\(y\)に着目して、もう1回解きますね。
\begin{eqnarray}
x^2-y+xy-1 &=& (x-1)y+(x^2-1) \\
&=& (x-1)y+(x+1)(x-1) \\
&=& (x-1) \displaystyle\left\{y+(x+1) \right\} \\
&=& (x-1)(x+y+1)
\end{eqnarray}
x^2-y+xy-1 &=& (x-1)y+(x^2-1) \\
&=& (x-1)y+(x+1)(x-1) \\
&=& (x-1) \displaystyle\left\{y+(x+1) \right\} \\
&=& (x-1)(x+y+1)
\end{eqnarray}
当然ですが、同じ答えになりましたね。しかし、解き方の質としては別物です。もしもこの最低次数の文字に着目するということを知らずに組み合わせだけで解いていたら、もっと複雑な因数分解の問題は解けないかもしれません。解くことができたとしても、時間がかかるかもしれません。もう少し複雑な因数分解の例題として因数分解はどうでしょう。
$$a^2+ab+a+3b-6の因数分解$$
ポイント
2つ以上の文字がある因数分解では、最低次数の文字に着目して降べきの順に整理し、そこから方針を考える。